手術支援ロボット「da Vinci XI」 安全・正確・精密な手術で
患者さんの負担を軽減した手術を。

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01手術支援ロボット
da VinciとはAbout

手術の確実性・安全性向上と低侵襲を実現し、患者さんの不安と負担の軽減を目指します。

手術支援ロボットda Vinci

手術支援ロボットda Vinci(ダビンチ)は、1999年にアメリカで開発された内視鏡術支援ロボットです。この手術を受けた患者さんは延べ720万人を超えており、日本でも多くの医療機関が導入し、「最新治療」から「標準治療」へ移行しつつあります。

実際に手術を行うのは医師

ロボット手術は従来の腹腔鏡下手術と同じようにいくつかの数センチ程度の小さな切開部を作り、ハイビジョン3Dカメラと3本の鉗子やメスを取り付けたロボットアームを接続し、鮮明な立体画像を見ながら医師がアームを遠隔で操作し手術する仕組みです。ロボットの操作は、従来の内視鏡手術で十分経験を積んだ医師で、専門のトレーニングを受けた者が行います。

ダビンチの鉗子は関節構造を持ち人間の手より大きな可動域を備えており、従来の内視鏡手術用鉗子では難しかった操作も可能になります。また先端が自由に回転・角度を変更でき、人の手の届かない臓器の裏側も手術が可能となります。さらに手ぶれ補正機能も備えており、精度が高く、安定した手術を行うことができます。

医師とロボットの技術が融合することで、手術の確実性・安全性向上と低侵襲を実現し、手術に伴う患者さんの不安と負担の軽減を目指しています。

02ダビンチの特長Features

鮮明な3D(3次元)画像

ダビンチでは、高画質で立体的な3Dハイビジョン画像を見ながら手術ができます。また、拡大表示が出来るため、精密な操作が求められる場面でも有利です。

広い可動域と精密な動き

医師がロボットアームに装着されている鉗子やメスを操作します。ダビンチの鉗子は関節構造を持ち人間の手より大きな可動域を備えており、従来の内視鏡手術用鉗子では難しかった操作もできるようになりました。

先端が自由に回転・角度を変更でき、人の手の届かない臓器の裏側も手術が可能となります。
さらに、手ぶれ補正機能も備えており、細い血管の縫合や神経の剥離など細かい操作もより安全かつ正確に行えます。

患者さんの負担軽減

数カ所の小さな切開部から手術を行うため、傷が小さく、出血も抑えられ、手術後の疼痛が軽減できる、合併症リスクの大幅な回避ができるといったメリットがあります。手術後の回復が早く、入院期間が短縮できるため、患者さんの負担が軽減されます。

Surgeon Console サージョンコンソール

Surgeon Consoleサージョンコンソール

術者が操作する操縦席。ハイビジョンの3D画像を見ながら、手足を使って手術操作を行います。

patient cart ペイシェントカート

patient cartペイシェントカート

患者さんに接続する機器。4本のアームを持ち、1本には精細な高画質の3次元カメラを接続します。残る3本のアームには、術者が操作するロボット専用鉗子を接続します。

VisionCart ビジョンカート

VisionCartビジョンカート

ダビンチのあらゆる機能を司る中枢機器。ペイシェントカートから送られてくる画像からハイビジョン3D画像を作成します。上部に搭載されているモニターには、手術中の画像が映し出され、手術スタッフで同じ画像が共有されます。

03手術のメリットとデメリットPros & Cons

ダビンチによる手術の5つのメリット

手術創が小さい、出血量が少ない ダビンチでの手術は腹腔鏡手術と同じく、体に小さな穴を数か所開け、そこから鉗子を挿入して行います。開腹手術に比べて傷口が小さいのが特長です。傷口が小さいため、開腹手術に比べると極めて少ない出血量です。
より早い回復、日常活動への復帰 傷口が小さいため、傷の痛みが少なく、術後の回復は早い傾向にあり、入院期間も短縮できます。
合併症のリスクが低い 合併症のリスクを大幅に低減できます。
機能の温存が向上 鉗子の正確で細密な動きによって体の機能を温存させる手術が期待できます。
前立腺全摘除術では、開腹手術に比べて尿失禁率が低減し、勃起不全の確立が低下することが報告されています。
正確な切除 拡大視野で精密な切除が可能であるため、がんのより正確な切除が可能と言われています。

ダビンチによる手術のデメリット

併存疾患によってはロボット手術の適応外となります。 前立腺がんに対する前立腺摘出術の場合、心不全(僧帽弁閉鎖不全症など)および緑内障の方は、手術を受けることが難しい場合があります。また、以前に腹部手術を受けたことのある患者さんもロボット手術を受けることができない場合があります。
ダビンチによる手術は、開腹手術よりも患者さんへの負担は小さいと言えますが、治療については、担当医が患者さんと十分に話し合って、決めさせて頂きます。
直接患部に触れることができない ハイビジョンの3D画像を見ながら操作しますが、鉗子類には触覚がないため、術者には相当な技術と慣れを要します。ダビンチの製造元であるIntuitive Surgical社の定めるトレーニングを修了し、認定資格を取得した医師が執刀します。

04当院における適応疾患Indication disease

泌尿器科・前立腺がん手術

※呼吸器外科、消化器外科の疾患については、順次拡大予定

05担当医メッセージMessage

泌尿器科 主任診療部長渡辺 淳一

PROFILE
  • 日本泌尿器科学会専門医・指導医
  • 日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会腹腔鏡技術認定医
  • 手術支援ロボットダビンチCertificate取得

2023年4月から、長崎みなとメディカルセンターでも、da Vinci Xi サージカルシステムを用いた低侵襲手術であるロボット支援下手術が始まりました。長崎県では、長崎大学病院、佐世保市総合医療センター、諫早総合病院に次いで4番目の導入となります。まずは、泌尿器科の前立腺癌に対しての前立腺全摘術から開始しています。

ロボット手術って どんなもの?
ロボットが勝手に手術を行うわけではありません。患者さんの体内に4か所の穴をあけ、そこからロボットアームと内視鏡が挿入されます。操作用コンソールから医師がアームと内視鏡を操作し、ロボットが忠実に体腔内で再現することで手術を行っていきます。
今まで多く行われてきた、低侵襲の腹腔鏡手術と、繊細な縫合ができる開腹手術の良いとこ取りの手術です。
ロボット手術の利点は?
  1. 超高解像の3Dモニターにて体内の詳細な解剖を認識できるため、より安全性が高まりました。
  2. 手振れ防止機能があり、繊細な操作も可能となりました。
  3. 操作を行う鉗子の先端に関節がついているため、自由度が高まり、骨盤底の狭い空間内でも、より確実な縫合操作が可能となりました。
今後の予定
泌尿器科分野では、腎癌の腎部分切除術や膀胱全摘手術に拡大予定です。
その他、呼吸器外科による肺癌の摘出手術や消化器外科の直腸や胃の手術にも導入される予定です。

06費用についてCost

ロボット支援手術は保険適用

ダビンチによるロボット支援手術は、2012年に前立腺がんに対する前立腺全摘除術において、2016年に腎がんに対する腎部分切除において保険適用となっています。そして、2018年には新たに食道がん、胃がん、子宮体がんなど12件が保険適用となりました。

今後順次拡大予定の疾患を含め、当院においては保険適応の疾患に対してのみダビンチ手術を行っています。保険適応の手術については、先進的な医療であるにも関わらず、医療費の負担は従来の手術とあまり変わりません。さらに、高額療養費制度を利用することで、負担を少なくすることができます。

入院・手術に関わる費用は、年齢や健康保険制度等によって異なりますので、お問い合わせください。
高額療養費制度については、こちらをご覧ください。

高額療養費制度について

07お問い合わせおよび受診・ご紹介についてContact

ダビンチによるロボット手術をご希望の際は、まずは外来受診が必要です。かかりつけ医にご相談の上、受診の際は、必ずかかりつけ医の診療情報提供書(紹介状)をご持参ください。

外来受診について

医療機関の方

ご紹介の際は、事前に患者総合支援センターで予約をお取りください。

TEL
095-822-3251(代表)
FAX
095-821-1116(患者総合支援センター)

【予約受付時間】平日8時45分~16時30分

※夜間のFAXは翌朝、休日をはさむ場合は休日明けの対応となりますのでご了承ください

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