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当院の取り組み

働き方改革について

当院における働き方改革への取り組みについて

令和2年度

 6年前の12月18日、長崎市立病院機構傘下の長崎みなとメディカルセンターにおいて、長崎市民の生命を守るべく日夜診療に情熱を傾けていた一人の若手医師が、33年の短い人生に終止符を打ちました。就寝中の突然のご逝去でした。将来を嘱望される有為の医師であるとともに、患者、医療スタッフの誰彼を問わず皆から愛される好漢であったそうです。故人の無念の思いやご遺族の悲しみはいかばかりであったか、想像を絶するものがあります。その後、死因をめぐってご遺族と当機構の間での長年の係争継続という不幸な経緯をたどりましたが、過労死水準をはるかに凌駕する超過勤務の事実が明らかであったことから、本年7月、当機構として過労死であったことを全面的に認め、ご遺族に謝罪し和解に応じていただきました。和解の話し合いの中で、長崎みなとメディカルセンターは職員の過労死という悲劇を二度と繰り返さないために、医師の働き方改革を全力で推進し、全国の病院のモデルたるべき職場環境を実現することをお約束しました。そして、毎年この時期に故人の無念に思いを馳せ働き方改革への決意を新たにするとともに、その進捗状況を社会に発信する機会を設けることとしました。
 その最初の試みとして「第1回働き方改革フォーラム」を企画し今月の開催に向けて鋭意準備を進めてきたところですが、残念ながら新型コロナの流行拡大の現状にあって、開催延期を余儀なくされてしまいました。流行の終息を待っていずれはフォーラム開催を実現する所存ですが、主旨に鑑み、この機に当機構の働き方改革の責任者である森俊介理事による「長崎みなとメディカルセンターにおける働き方改革」の進捗状況報告をホームページに掲載することといたしました。まだまだ取り組みは緒についたばかりの途中経過ですが、ご遺族ならびに広く社会の皆様に評価いただき、今後へのご指導、ご助言を賜ることができれば幸いです。

2020年12月18日

地方独立行政法人 長崎市立病院機構
理事長  片峰 茂

当院の働き方改革への取り組みについて

報告書

※本報告書は、無断での2次利用及び転載をお控えください。

令和3年度

「第1回働き方改革セミナー」

 この度、新型コロナウイルス感染症の流行拡大により開催延期となっていた「働き方改革セミナー」を令和3年12月2日に開催いたしました。
 第1回目となる今回は、医師、看護師、その他の部署から80名以上が参加し、会の冒頭に、2014年12月に過労死により逝去された当院若手循環器内科医師への黙祷を捧げました。
 ご遺族とのお約束でもある、当院職員の働き方改革の実現に向けた取組みをさらに推進していくため、今回は講師として弁護士法人ふくざき法律事務所代表 福﨑博孝弁護士より「2024年4月までに目指すべき『医師の働き方改革』」について、長崎大学病院 外傷センター准教授 宮本 俊之氏より「長崎大学病院における働き方改革の取り組み」について、最後に当院の働き方改革担当理事 森 俊介氏より「当院における医師の働き方改革の状況」について講演いただきました。
 福﨑弁護士からは、2024年4月に大きな改変を迎える医師の働き方改革関連法について詳しく説明いただきました。厚労省の考え方・視点に関することや、タスクシフト・タスクシェアの重要性、また、本件については医師のみならず医療機関全体で取組むべき問題であるという指摘もありました。
 宮本俊之氏の講演では「最高の外傷センター」を作るべく、何が問題なのか、どのようにしたら改善できるのかをスタッフで意見し合い、改善に向けた対策を講じていること及びその成果について報告いただきました。
 また森俊介理事からは、当院の働き方改革への取組や成果、課題等についての説明がなされました。
 このセミナーをもって働き方改革に向けての新たな一歩を当院職員全員で踏み出し、2024年4月の医師の働き方改革関連法の施行に向け、当院でも取組をさらに進めて参ります。

2022年1月

地方独立行政法人 長崎市立病院機構
理事長  片峰 茂

セミナー概要

  • 題名:第1回働き方改革セミナー
  • 日時:令和3年12月2日(木) 14時00分~15時30分
  • 対象:職員 約80名(診療部長、看護師長以上、部署長及び係長)
  • 場所:長崎みなとメディカルセンター 醫聖ホール他 ※ハイブリット形式
  • 次第:

    1.黙祷・開会挨拶
    理事長 片峰 茂
    2.講演「2024年4月までに目指すべき「医師の働き方改革」」
    弁護士法人ふくざき法律 事務所 代表 福﨑 博孝氏
    3.講演「長崎大学病院における働き方改革の取組みについて」
    長崎大学病院 外傷センター 准教授 宮本 俊之氏
    4.当院における医師の働き方改革の状況・閉会のあいさつ
    森俊介理事

会場の様子

令和4年度

「第2回働き方改革セミナー ~当院若手医師の過労死事案を忘れない~」を終えて

 今回の働き方改革セミナーは、副題が示すとおり、当院が医師の働き方改革に向けて本気で取り組む大きな契機となった8年前の一人の循環器内科医師の過労死に改めて思いを馳せ、改革への決意を新たにする内容となりました。当日は、ご遺族にも会場またはオンラインでご参加をたまわり、この間ずっとご遺族の心の支えとなってこられた植山直人(全国医師ユニオン代表)、中原のり子(東京過労死を考える家族の会)両氏をお招きしお話しいただくことができました。また、故人の恩師であられた前村浩二長崎大学医学部長にもごあいさついただきました。
 中原さんは、最愛のご主人を過労死で失われたご自身の経験をはじめ、いくつかの過労死事例におけるご遺族の苦悩を紹介され、最後に故当院医師の奥様からのメッセージも紹介いただきました。過労死が残された家族に及ぼす傷が何年たっても癒えることがないことを、改めて心に刻ませていただきました。
 植山先生は、医師の基本的人権の視点から働き方改革の意義を強調されるとともに国の医療政策の問題点を指摘されました。前村先生は、長崎大学医学部の校是である「ポンぺの言葉」を引用しながら患者第一の医師のあるべき姿を堅持しつつ働き方改革を実現するべきであることを強調されました。改めて医師の働き方改革が壮大なチャレンジであることを肝に銘じる機会となりました。
 当院の働き方改革も未だ途半ばです。ご遺族との約束である「医師の働き方改革の先進的モデルとなること」を目指して、改革を格段に加速したいと思います。1年後のセミナーでは、胸をはれる成果を報告できるよう全職員一丸となって努力を重ねてまいります。

2022年10月4日

地方独立行政法人 長崎市立病院機構
理事長  片峰 茂

セミナー概要

  • 題名:長崎みなとメディカルセンター 第2回 働き方改革セミナー ~当院若手医師の過労死事案を忘れない~
  • 日時:2022年9月3日(土) 13時~14時30分
  • 場所:長崎みなとメディカルセンター(醫聖ホール他) ※ハイブリット形式
  • 病院参加者:職員等(約100名)
  • 次第:

    1.黙祷、開会の挨拶、働き方改革の進捗状況について
    理事長 片峰 茂
    2.来賓あいさつ
    長崎大学医学部長 兼 長崎大学循環器内科教授 前村 浩二様
    3.講演①「医師の基本的人権と働き方改革」
    全国医師ユニオン代表 植山 直人様
    4.講演②「医療者の過労死と労働安全」
    東京過労死を考える家族の会 中原 のり子様
    5.閉会のあいさつ
    院長 門田 淳一

会場の様子
長崎大学医学部長兼
長崎大学循環器内科教授
前村 浩二様
全国医師ユニオン代表
横山 直人様
東京過労死を考える
家族の会
中原 のり子様

以下は、【次第1】の「開会のあいさつ」と「当院における医師の働き方改革の進捗」についてまとめた内容です。

開会のあいさつ
地方独立行政法人
長崎市立病院機構
理事長 片峰 茂

主催者を代表し挨拶いたします。

今回のセミナーは、「当院若手医師の過労死事案を忘れない」を副題にしており、まずはその心を説明いたします。

2014年12月、当院勤務の新進気鋭の循環器内科医師が急逝されました。33歳という若さで、無念の死であったと思います。また、過労死水準をはるかに凌駕する勤務時間での過労死でありました。その死因をめぐって裁判係争という不幸な経緯をたどりましたが、2020年7月に、死因は過労死であったことを当機構が全面的に認め、ご遺族に和解に応じていただきました。

今日はご遺族の方々にもご参加いただいております。故人のご冥福をお祈り申し上げるとともに、過労死を未然に防げなかった責任を改めて心に刻み、深甚よりの謝罪を申し上げたいと思います。2年前の和解で当機構はご遺族に2つのことをお約束しました。それは、医師の働き方の改革において全国の先進的なモデルとなるよう努力を重ねること、そして、年1回故当院医師の無念を共有し、当院における医師の働き方改革の状況をしっかりと社会に発信することです。本日のセミナーはこのお約束に基づき行います。一昨年、第1回目のセミナーを本日の内容で予定しておりましたが、残念ながら新型コロナウイルスの流行の拡大により実現することができませんでした。その後、昨年12月に別の内容で第1回目のセミナーを実施しました。そして、今回第2回のセミナーとして、ご遺族のご希望に基づき、「全国医師ユニオン代表」の植山先生と「東京過労死を考える家族の会」の中原様を講師にお招きすることができ、開催に至りました。本日はお二人のご講演の他、故人の恩師であられた前村医学部長にもご挨拶を賜ります。

本日のセミナーを通じて、故当院医師の無念を参加者全員が改めて胸に刻むとともに、当院の医師の働き方改革を加速させる1つの転機にしたいと思います。

セミナーの開始に先立ち、参加者全員で故当院医師の御霊に黙祷を捧げたいと存じます。
(黙祷)

当院における医師の働き方改革の進捗について

故当院医師が急逝された2014年直後から、前理事長のもと様々な取り組みが推進されてきました。労働基準監督署の指導も頂きながら、時間外労働の定義づけから始まり、2交代制の導入、自宅でのオンコール体制の確立、ドクタークラークの採用、チーム医療の実施、患者説明の時間内実施等、様々な改革が実行されてきました。結果として、2019年3月28日の「医師の働き方改革に関する検討会 報告書」に記載されている内容については、一部の診療科を除きほぼ順守できる程度には実現しています。ただし、現実には特定の診療科を中心に、月80時間以上の時間外労働を行う医師が30名以上存在するという状況でありました。

その後、新理事長・院長が赴任し、2020年7月にご遺族との和解後、働き方改革担当の当機構理事を中心に、医師の働き方改革ワーキンググループを結成し、様々な新しい取り組みを実施してきました。具体的には、外科を中心としたシフト制の導入、外科系医師の当直を少なくする取り組み、当直明けは午前10時に帰宅する取り組み等を新たに行って参りました。また、各医師の意識改革が不可欠と考え、遅くとも19時あるいは20時までには帰宅し家族と一緒に食事をとろうという目標を共有し、新しい文化を形成するべく取り組んできました。その結果、全医師の平均時間外労働時間については、令和元年度から減少傾向にはあるものの、顕著な成果は認められない状況ですが、過労死水準を凌駕する時間外労働時間の医師数は、明らかに減少傾向にあり、100時間超えの医師数は確実に減少しています。2020年から2021年はコロナの流行という非常事態でありました。そのことが、時間外労働時間に影響している可能性もり、今後分析を進める予定です。

以上のような結果から、一定の成果は出ていると言えますが、まだまだ改革は途半ばであると言えます。2024年4月に医師の働き方改革関連法の施行が迫る中、改革のスピードを格段に加速させる必要があります。

※こちらはセミナーでお示ししたスライドです。

令和5年度

「第3回働き方改革セミナー」

 令和5年12月20日に「第3回長崎みなとメディカルセンター働き方改革推進セミナー」を開催いたしました。
 このセミナーは、当院の全ての職員が、9年前の当院循環器内科医師の過労死という不幸な出来事に改めて思いを馳せ、「もう二度と過労死を起こさない」という決意を共有することを主旨として、令和3年度以降毎年開催しているものです。
 今回はとくに、2024年4月の医師の働き方改革関連法の施行が目前に迫る中、当院における取組みの現状を再確認し、今後の全職種・職員の働き方改革推進の方向性を考えることを眼目としました。
 最初に森俊介理事から「医師の働き方改革」の進捗状況について報告いたしました。当院においては、この間鋭意「医師の働き方改革」を推進してきましたが、地域の急性期医療の中核病院として、入院患者に占める緊急入院の割合が60%に達する状況の中での改革は容易ではないことを痛感する日々でありました。しかしながら、着実に成果はあがっており、来年度から施行される「医師の働き方改革関連法」における時間外労働時間年間960時間の上限規制を、数年後には全ての医師がクリアできる可能性が現実味をもって展望できるところまで来たことが報告されました。
 続いて、調漸副理事長から「看護師負担の軽減」の取組みについて報告いたしました。現在当院が直面する最大の課題が病棟看護師不足です。3年余にわたって続いたコロナ診療という非常事態のしわ寄せが病棟看護業務に及んだことが大きな要因の一つです。去る2023年10月、コロナ対応で休床していた病棟を再稼働するタイミングで、病院をあげた「看護師負担の軽減」の取組みを開始しました。現場の困りごとを抽出し、看護師はもちろん医師、薬剤師、医療技術職員、事務職員など多職種が協力して知恵を出し解決策を立案・実行しており、既にいくつかの目に見える成果があがりつつあることが報告されました。
 最後に、労働衛生コンサルタントの縄本裕俊氏に「医療従事者の健康と安全を守るために」と題する講演で、医師の時間外労働の上限規制の適用にあたって、医師の面接指導や勤務間インターバル等の特に注意すべき点をご説明いただきました。
 当院の働き方改革の完遂に向けた現在の立ち位置を確認できた点で、有意義な会になったと考えています。
 今後は、当院の改革をさらに加速し、全ての職員にとって安全で働きやすい就労環境の実現に向けて努力してまいります。

令和5年12月22日

地方独立行政法人 長崎市立病院機構
理事長  片峰 茂

セミナー概要

関連ページ

医療従事者の負担軽減および処遇改善の取り組みについて

当院では医師、看護師など医療従事者の負担軽減および処遇改善のため、以下の項目について取り組みを行っています。

医師の負担軽減および処遇改善

  • IC(インフォームドコンセント)の平日昼間実施
  • 夜勤翌日の早期帰宅推奨
  • 複数主治医制の導入
  • 看護師、薬剤師、その他の医療従事者とのチーム医療の実施
  • 医師事務作業補助者の配置とスキルアップ

看護師の負担軽減および処遇改善

  • 看護補助者の配置
  • 夜勤従事者の増員
  • 業務量の調整による超過勤務の発生防止

医療従事者(医師・看護師含む)の負担軽減

  • 院内保育所の設置
  • 超過勤務及び深夜勤務の制限
  • 産前産後休暇制度
  • 育児休暇取得促進
  • 子の育児休暇取得促進
  • 2交代制勤務の実施
  • 介護支援休暇の取得促進
  • 男性の育児参加のための休暇取得促進

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