Interview
04
白衣の 名探偵
教育担当
貴島 葵(11年目)
きじま あおい
現場でも、教育でも、
大切なのは観察。
些細な行動から見えてくることが
たくさんあるからです。
相手がどう考えているのか
想像力を働かせながら、
最適な行動につなげます。
- プロフィール
- 佐賀県出身。活水女子大学卒業。循環器内科・CCU、整形外科・臨床腫瘍科・血液内科を経て、現在は看護部で新人教育を担当。プライベートでは3人の子どもを育てるお母さん。
入職時にギャップは感じましたか?
私が入職したのは10年前。当時は厳しく指導していただきましたが、看護学生の頃からイメージしていた看護師さんの印象とはかけ離れていなかったので、ギャップは感じませんでした。時代が変わった今、世の中は「褒めて育てる!」が主流です。みなとメディカルの先輩たちも、新人さんの指導を熱心にしてくださる方が多く、働きやすい環境が整っていると思います。
失敗が成長につながった。そんな経験はありますか?
「退院は10時でいいですか?」何気なく患者さんに聞いた時、「どうして10時なの?」と予想していなかった答えが返ってきました。急性期病院の当院は1日の入退院が多く、空いた病室にすぐに次の患者さんが入院される日も珍しくありません。急いで準備しなくてはいけない、だから退院は10時。無意識に思い込んでしまっていたのかもしれません。
その失敗から、どのような気づきがありましたか?
性格もバックグラウンドも異なるのですから、自分には当たり前のことでも、その方にとってはそうでないのも当たり前。どうすれば患者さんが嫌な思いをしないだろう。そう考えた時に、「明日の退院は何時が良いですか?」と、声掛けの仕方や言葉の選び方に配慮すればいいんだと気づきました。
患者さんと信頼関係を築くために心がけてきたことは?
病状が思わしくなかったり、きつい治療のために気持ちが落ち込んでしまったり、元気がない患者さんには、他愛のない会話を楽しむ時間を作るようにしてきました。観ているテレビや読んでいる本の話をしたり、食事量が少ない方には「食べやすいごはんはありますか?」と声をかけるなど、観察しながら会話の糸口になるヒントを見つけてコミュニケーションを重ねていきます。そういう意味では、ちょっと探偵みたいなところもありますね。
信頼は観察から生まれるのですね。
信頼関係が生まれれば、些細なことでも私たちに聞きやすくなります。患者さんのストレスが軽減されて、「助かったよ」と言葉を掛けてくださることも。そういったやりとりが、私自身のやりがいにもつながっています。
教育する立場で大事にしていることは?
定期的に病棟をまわって新人さんが書いた振り返りノートを見ながら、どんな指導を受けたのか、何を学んでいるのか観察しています。「観察」が重要だという点は、現場と共通する部分ですね。元気がないと感じた人とは、時間を作って話をします。看護師にとって教育は学びでもあり、人だけに限ったことではありません。いずれ病棟に戻った時に、現部署での経験を活かせるようにがんばっています。
新人看護師にとってどんな存在でありたいですか?
看護師は命を預かる仕事です。時には厳しく指導されることもあります。社会人になり立ての頃は病棟にいるだけでも緊張するので、弱音を吐きたくなるのも当然です。だから皆さんの成長を支える上では、困っていることや悩みを全部受け止めたい。注意されてへこんでいる時に慰めるだけではなく、褒められて嬉しい時は一緒に喜びたいです。私自身、教育に携わってまだ日が浅いので、サポートしながら共に成長できる協力者であり伴走者でありたいです。
ライフイベントを挟んでもバリバリ働けますか?
私自身は家族のサポートのお陰で、子どもが小さい頃から夜勤もしてきましたが、その人のライフスタイルにあわせて時短勤務や週3勤務、夜勤免除など融通が利きます。「権利があるのだから使っていい」と上司が背中を押してくれますし、スタッフの中には結婚している人や子育て経験者も多いので心配ありません。
看護師に大事なことは?
看護師の仕事はチームプレーで成り立っています。患者さんやご家族との関係はもちろんですが、スタッフとの関わりの中でも誰かのためにがんばる気持ちが、患者さんを元気にしたり、病棟の雰囲気を明るくしたりします。急性期病院は大変そうだな、忙しそうだな。そんなイメージを持っている人もいるでしょう。でも長いキャリアのことを考えれば、やりがいが感じられて、成長できる場所でスタートを切るのは良い選択だと思いますね。
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