多様な働き方を支援
スタッフインタビュー
01
医師救急科(救命救急センター)
- 経験年数
- 9年目
- 所属
-
救急科(救命救急センター)
救急外来、病棟(内科・外科系疾患含めた多様な疾患)の業務を行う。 - 利用制度
- 休職
- 制度紹介
- 長期療養の他、大学等課程の履修する場合や国際貢献活動に参加することが認められるとき、通算3年を超えない期間、休職し参加することができます。
令和5年2月から約6か月の期間、国境なき医師団の活動に参加。ケニア共和国の総合病院でHIVや結核への対応を中心に、生活習慣病やCOVID-19、ワクチン接種など総合的な診療に加え、地域の保健医療の向上に向けた活動に従事。
- Q1.国際貢献活動を行うことを目指したきっかけを教えてください。
- 世界には大きな格差があることを知り、それらを許容できる程度まで縮小し、より多くの人がよりよく生活できる方法を考えていきたいと思ったからです。日本国内でも格差は問題になっていますが、日本であれば予防接種で防げている病気で小さなこどもが亡くなったり、病気以前に食べ物や住む場所がなかったり、戦争に巻き込まれていたりと、日本以上に大きな困難を抱えている人が多くいます。医療のみでの解決も困難ではありますが、医療の専門家として貢献していくことができればと思っています。
- Q2.これまで国際貢献活動を行うために障害になっていたことはありますか?
- 障害といえるかはわかりませんが、活動に必要な力を身につけることのハードルは高いと思います。今回は国境なき医師団の活動に参加することになっています。ホームページに求められる能力が掲載されており、学生時代からそれを身につけることを意識してはきました。英語、熱帯医学の知識・経験、マネジメント、教育、救急や小児科での経験、資源の限られた環境での臨床経験、多国籍集団でのコミュニケーションなどです。私の場合は旅行ではありますが学生時代に海外に行く機会を作り、沖縄県で離島診療所勤務も含めた総合診療を学び、長崎では長崎大学熱研内科や熱帯医学グローバルヘルス研究科で感染症や熱帯医学の勉強をさせていただきました。また、長崎では留学生など海外の方と交流する機会も多く、英語力を伸ばすこともできました。それでも、もともと多様な言語や文化を背景とし、熱帯医学の経験が多い方と比較すると、私は海外での生活や勤務の経験はなく、言語や能力の面ではかなり劣っていると思います。世界中の同じ職種の人の中から選ばれるためには、言語などが日本人にとって大きな壁になりうると思います。最後の応募の段階では、長崎には国境なき医師団経験者が多数おられたので、たくさんのアドバイスをいただけて、とても有用でした。活動後も雇用を継続していただける職場があることも大切だと思います。
- Q3.今回は、当院の休職制度を活用し、国境なき医師団の活動に参加することとなっていますが、休職という形で、国際貢献活動に参加するメリットはどのように感じていますか?
- 国際貢献活動参加後の就職先を新たに探す必要がないこと、社会保険や有給休暇などを中断せずに継続できることもメリットだと思います。フリーランス/アルバイトという働き方もあると思いますが、継続して患者さんを診療できるところも臨床経験としては利点だと考えています。また、現在の救命救急センターでの勤務はチーム制、シフト制でオンとオフがはっきりわかれており、メンバーが抜けてもカバーしやすい体制であるため、海外活動への参加がしやすいと思っています。
- Q4.反対に、休職という形で、国際貢献活動に参加するデメリットはどのように感じていますか?
- やむを得ないことですが、無給になること、休職中の社会保険料の自己負担分の支払いが必要なことなど、経済的な面は問題になり得ると思います。ただ、退職やフリーランスに比較するとメリットが大きいと思っています。
- Q5.国際貢献活動に参加することについて、一緒に働くスタッフの理解はいかがでしょうか?
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十分すぎる理解をいただいています。特に当院救命救急センターには私以外にも海外での臨床や研究などを積極的に行っている同僚がおりますので、「ぜひ行ってきて!」という雰囲気があります。ただ、同時に多数のスタッフが抜けると業務に支障を来すため、交代で海外での活動ができる体制を模索しています。
前述のように、海外活動への理解が深い職場であるため、大きな不安はありません。今回の海外派遣は内科医のポジションですが、実際には救急や小児科、公衆衛生なども含めた総合的な役割を期待されています。現在の救命救急センターでも内科系、外傷など多様な疾患を診療しており、共通する面が多く、日本での経験、海外での経験をそれぞれの現場に生かしていけると思っています。
※本インタビューは、国境なき医師団の活動に参加する直前に行いました
▲活動を応援してくれる救命救急センターのスタッフ