看護師

新人看護職員への支援

新人看護職員の支援体制

新人看護職員を「全員で支える」ことを目指します。現場で必要な知識・技術を習得し、安全な看護を実践し職場に適応できるように全職員で協力して支援します。

支援体制

プリセプターシップについて

プリセプターシップについて01
プリセプターシップについて02

新人看護職員教育はプリセプターシップで行います。プリセプターシップとは、新人看護職員一人に対して決められた経験のある先輩看護師がマンツーマンで、ある一定期間新人研修を担当する方法です。
プリセプターは、新人看護職員とともに看護ケアを実施し、仕事をとおしてアセスメント、看護技術、対人関係、医療や看護サービスを提供する仕組み、看護職としての自己管理、就業規則などの手本を示していきます。プリセプターの任期は1年とし、新人看護職員の成長に合わせた指導、支援を行います。
また、卒後2年目の看護師が『チューター』となり、仕事の仕方、学習方法、悩み事などの精神面、生活など広範囲に渡り、相談や支援を行います。

プリセプター
新人看護職員の能力開発を、個別の指導計画の立案及び指導計画に基づいた臨床実践に関する実地指導、評価などを、上司に代わって指導を受けながら実践します。
チューター
卒後2年目の看護師が担当し、新人看護職員に仕事の仕方、学習方法、悩み事などの精神面、生活など広範囲にわたり、相談や支援を行います。
教育担当者
看護部の新人看護職員の教育方針に基づき、各部署で実施される研修の企画・運営を中心となって行います。プリセプターや新人看護職員への助言及び指導、評価を行います。また、新人看護職員とプリセプター間、プリセプターとスタッフ間の関係調整と支援を行います。
教育委員
病棟で行われる教育全般について、副看護師長、看護師長から指導を受けながら、集合研修と臨床教育の騒擾効果が得られるように新人及びスタッフをサポートします。また、部署全体が新人看護職員教育支援体制とその内容を理解して関わることができるよう働きかけます。
看護師長
新人看護職員、プリセプター、教育担当者への支援を行う。新人指導に関する構想の明示、プリセプターの任命と動機づけ、プリセプターへの指導・評価、職場における新人看護師育成の環境調整・統括を行います。
研修責任者
病院及び看護部の教育方針に基づき、教育担当者、実地指導者及び新人看護職員の研修プログラムの策定、企画および運営に対する指導及び助言を行います。そして、研修の企画・運営・実施・評価のすべての過程における責任者です。また、各部署の管理者や教区担当者と連携を図りつつ、教育担当者の支援を行い、部署間の調整を含め新人看護職員研修全体を把握します。
スタッフ
プリセプター、教育委員、教育担当者から教育方針・教育計画について説明を受け、理解したうえでOJTにおける技術指導や日々の看護教育などを行います。共に看護を行っていく仲間として新人が職場に適応できるよう人間関係を形成し、働きやすい職場の雰囲気を作ります。

新人採用者研修内容

新人看護職員研修目的

職場の早期適応と看護実践者としての基本的な技術と態度を養う

目標

  1. 社会人として基本的なマナーを身に付ける
  2. 病院及び看護部の理念、目標を理解し、職場に円滑に適応できる
  3. 看護を安全に提供するための看護実践能力を身に付ける
  4. 専門職業人としての自覚を高め、生涯に渡って自己研鑽する姿勢を身に付ける

1年間の教育プログラム

  新人の成長目標 新人の行動目標 支援体制・研修
4月 ・職場へ適応する時期
・組織人として規律を身に着ける時期
1.新人同士の情報交換や、先輩看護師とともに行動することで職場に慣れることができる2.基本的な日常生活援助を対象に合わせて実施できる3.社会人としての態度をとることができる
  • 支援形態

パートナーとともに患者受け持ち
(PNS:3名体制):パートナーと一緒に、できるケアは積極的に行うように支援する
夜勤体験

  • 研修

食事介助、経管栄養、口腔ケア、吸引移動・移乗、スキンケア、体圧分散、臨床検査の基礎採血、検体の取扱い医療安全①・感染管理①インスリン製剤の理解、PNS①電カル操作Ⅰ・Ⅱ、クリパス

5月 看護実践力を習得する時期 1.自部署の診療科および入院患者の特性を理解することができる2.時宜をえた報告・連絡・相談ができる
  • 支援形態

パートナーと一緒に受持ち患者を担当夜勤シャドウ(見学のみ)

  • 研修

重症度、医療・看護必要度①静脈注射認定Ⅰ処方せんの読み方、取り扱い輸液ポンプ、シリンジポンプの取り扱い夜勤の心構えフィジカルイグザミネーション気管内挿管の準備と介助

6月 1.エビデンスを確認し、看護実践ができる
  • 支援形態

教育夜勤(2回迄)パートナーと一緒に受持ち患者を担当(主受持ち)(PNS:2名体制)

  • 研修

BLS/AED膀胱留置カテーテル抗がん剤の取り扱い看護必要度②シミュレーション研修(急変の気づき)放射線防護と看護

7月 ・実践力を強化し判断力を身に付ける時期
・看護師として責任ある行動がとれる基盤をつくる時期
1.疑問点について自ら解決行動をとることができる2.入院患者の初期看護計画を指導のもと立案し実践することができる3.振り返りをとおして自己の傾向を理解し、課題達成に向けて目標を設定することができる
  • 支援形態(翌年3月まで)

パートナーと一緒に重症患者受持ち夜勤導入

  • 研修

・医療安全②(KYT)輸血管理呼吸循環管理Ⅰ:基礎知識、酸素療法呼吸循環管理Ⅰ:心電図の基礎3ヶ月の振り返り

8月 1.医療事故防止における看護職の責任や、自己の要因を理解し、リスク感性を養うことができる
  • 研修

静脈注射認定Ⅱ

9月 ・メンバーとしての役割を果たす時期
・患者への関心を高め看護職としての自分を見つめる時期
1.受け持ち看護師の役割や活動を理解し、主受持ち看護師としての責任について考えることができる
  • 研修

メンバーシップ研修IVナース認定試験

10月 1.中間評価をおこない、自己の振り返りを行うとともに今後の課題を見出し、解決策を考えることができる2.面接を通して自己の成長や課題を明らかにし目標を設定することができる
  • 研修

救急看護:気づきシミュレーション研修(急変対応)

11月 1.主受け持ち看護師として先輩看護師の指導・助言のもと看護過程の展開ができる2.急変時指示のもと行動できる
  • 研修

人工呼吸器の取り扱い・PNS②

12月
1月 メンバーの一員として自ら考え行動することができる時期  
  • 研修

緩和ケアの基礎①チーム医療

2月   1.チーム医療について理解し、他部門と連携を図ることができる
  • 研修

緩和ケアの基礎②(エンゼルケア)メンバーシップ発表会

3月 先輩看護師となることに期待と不安を持つ時期 1.1年間を振り返り自己の成長や課題を見出すことができる2.後輩を迎える心構えができる
  • 研修

1年の振り返りチューターについて

新人教育アイテム

キャリアファイル(ポートフォリオ)の活用

ポートフォリオとは、もともと建築家、ジャーナリスト、カメラマンなどが持っている「作品ファイル」を意味します。新人研修から今後学んでいく内容の資料やレポート、研修参加状況などを入れ、自分の看護師としての歩みを作成していきます。目標の明確化、課題の発見から解決の思考プロセスを可視化することができます。看護師としてのビジョンや看護観を他者に伝える機能も持ちます。あなたの看護師物語を描いてください。
当院では平成21年度より活用を始めました。

キャリアファイル(ポートフォリオ)の活用

フレッシュナースバッジ

新人看護師は若葉のマークが入ったフレッシュナースバッジを1年間付けています。患者さん、全職員が新人看護師を温かく見守り、成長を支援していけるような環境を提供しています。

フレッシュナースバッジ

ひよこノート

新人看護師には1年間プリセプターが付きますが、全職員で新人看護師の成長をサポートします。その成長を書きとめるノートが「ひよこノート」です。このノートは、新人看護師が毎日どのような事を学び、どのように感じたのかを記録し、その成長を全職員で共有するものです。職員は記録から新人看護師の個性を知り、個別性のある指導に役立てています。指導にあたった看護師からたくさんの助言が書きこまれ、プリセプターへの情報提供にもなっています。

ひよこノート

新人サポート

シミュレーションラボ

シミュレーションラボには、看護師だけでなく、医学部学生、研修医、その他メディカルスタッフがいつでもトレーニングできるように様々なシミュレーション機器を取り揃えています。新人看護師はラボで静脈注射や膀胱留置カテーテル挿入などの技術訓練を行っています。(貸し出しも可能です)また、認定看護師によるBLSや二次救命処置などのトレーニングも実施しています。

シミュレーションラボ01
シミュレーションラボ02

e-ラーニング(ナーシングスキル)

ナーシングスキルとは、臨床において様々用いられている標準的な看護手順を確認・習得するためのオンラインツールです。iPadやスマートフォンで、自宅や通勤時でも学習ができます。初めて行う看護技術や診療の補助業務など部署のパソコンで見ることができます。電子カルテにも看護手順として登録してあります。さらには、集合研修の事前学習として活用しています。平成30年からは動画講義も取り入れ、学習への活用場面がより広がっています。

e-ラーニング(ナーシングスキル)

みなとEAP

従業員支援プログラムEAP(Employee Assistance Program)とは、事業所における従業員のメンタルヘルスを含めたパフォーマンス(生産性・業績)の向上を目的に、組織や個人に対し、心理学的手法を用いて支援するサービス業務のことです。
入職後、リアリティショックがないか心理的負担がかかっていないか臨床心理士によるスクリーニングを行います。必要時、カウンセリングが受けられる体制をとっています。
新人看護職員の職場適応の支援、早期離職の防止に役立っています。

みなとEAP

メンバーシップ研修

新人看護師も医療チームの一員であることを自覚し、メンバーシップについて考える研修です。ハウステンボスの広大な敷地を使ったゲーム形式の研修を通して、チームワーク、判断力、行動力を身につけます。
園内のホテルに宿泊し、同期同士で思いを語り合いリフレッシュしています。
※新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、現在は中止しております。

メンバーシップ研修01
メンバーシップ研修02

ある新人ナースの日勤の1日の流れ

8:15
仕事開始電子カルテ等で、自分の担当患者の情報収集を行う
8:20
管理申し送り、ミーティング
8:35
管理1日の目標の確認
8:40
採血、環境整備
9:00
点滴の準備・実施、処置の準備
9:30
ペア看護師と一緒に検温、症状観察、処置、入院受け入れ、退院患者の対応、患者の日常生活援助
11:30
昼食・休憩
12:30
食事配膳、食事介助、昼食前後の与薬
13:30
点滴・処置の準備
14:00
ペア看護師と一緒に検温、症状観察、点滴、処置
16:20
病棟コーディネーターへの申し送り
16:30
今日の振り返り(ひよこノートの記入)
17:00
仕事終了
新人看護職員への支援01
新人看護職員への支援02
新人看護職員への支援03
教育担当師長

教育担当師長より

新人看護職員のみなさんをスタッフ全員で温かく見守り、サポートしていきます。