Interview
01
白衣の アイデアマン
ICU
平山 奈津美(10年目)
ひらやま なつみ
患者さんのために
できることは何だろう。
想いに耳を傾けながら、
実現に向かって
試行錯誤しています。
- プロフィール
- 島原市出身。長崎市医師会看護専門学校卒業。入職時からICU・HCUに勤務。推し活を生きがいにしながら、難しい仕事を乗り越える日々を送る。
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ICUと一般病棟の違いを教えてください。
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まず受け持つ患者さんの数が違います。一般病棟の場合、患者さん7人に対して看護師は1人。ICUは意識がない方や、大きな手術の術後管理などが必要な方がほとんどなので、看護師1人で多くても担当するのは2人までです。
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ICUチームの強みは何ですか?
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重症の患者さんの希望に対応できるのは、1対1で向き合っているICUの強みだと思います。認定看護師の資格を持つ職員もいますし、研修をとおして学んだ知識やエビデンスを基に、さまざまな取り組みを実践しています。
どんなときにその強みを感じましたか?
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「3カ月くらいお風呂に入ってないから入りたい」。長期入院している患者さんに、いま一番何をしたいか聞いてみるとそうおっしゃいました。元気だった頃は、1日3回も入るほどお風呂が大好きだったそうです。みんなで話し合い、病棟から機械浴を借りて、身体の管も一旦止めてきれいに保護。願いを叶えることができました。ご家族が面会にいらした時、開口一番「お風呂に入れてもらったよ」と嬉しそうに話していました。
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ほかに印象的な患者さんはいますか?
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患者さんから「水も飲めならないなら死んだ方がマシだ」と言われたことがあります。
それはショックですね。
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最初はショックでしたが、そういうときにも、できることがないか考えます。少しでも口の中を潤してあげるには、水で綿棒を湿らせるよりも、凍らせた綿棒の方がより清涼感を感じられて気持ち良いかもしれない。そう考えて凍らせた綿棒で水分をとってもらいました。氷は少しずつ解けていくので、飲み込みの機能が低下している人でも、誤嚥性肺炎のリスクが少なくて済むんです。ジュースを飲みたいとおっしゃった患者さんには、水の部分をジュースにしたこともあります。
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ご家族と対話する時に心がけていることは?
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さきほどの話もそうですが、患者さんやご家族の願いをかなえるために創意工夫をするのも看護師の仕事。アイデアや機転をきかせることも大切な資質の一つだと思います。ご家族の中には動揺している方も多く、何気ない声掛けが大事です。
具体的にはどう声をかけるのでしょう。
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看護師は医師のように「大丈夫ですよ」とは言えません。でも「びっくりしましたよね」と共感はできます。場合によっては、同じようなご病気をした方の経過をお伝えすることもあります。患者さんご本人は会話ができない場合が多いので、「いつでも私たちに電話してきてくださいね」とお伝えしたり、心配の余り眠れないご家族もたくさんいらっしゃるので、帰り際に「しっかり眠られてください」と一言添えたりします。
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休日は何をして過ごしますか?
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推し活が大好きです。ライブは全公演制覇がマストなので、全国を飛び回って楽しんでいます。私の熱狂ぶりに最初は引いていた先輩も、没頭できるものがあるっていいねと共感してくれるようになりました。この夜勤をがんばったらライブに行ける! 励みになることがあれば、大変な仕事でも乗り越えられます。
ICUに運び込まれてくる患者さんに対しては、限られた時間の中で答えを出さなければいけないですよね。そんな時はどうしていますか?
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私たちが守りたいのは患者さんです。そして目指す一番近いゴールは、回復して集中治療室を出ること。ゴールが見えなくなった時や、治療は継続しているけれど変化が見えない時にはチームで話し合います。先生はもちろんですが、患者さんのそばにいる私たち看護師の誰かが声をあげることで、新しい解決策が見えてくることも。だから時には先生と議論することもあります。
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